うみうみう日記

主に建築・写真

4.横浜ニューグランドホテルのスイートに泊まった話

11月の初めに1回目の記念日があり、それで特別なところに泊まりたいねーとなり、レトロなとこが良いよねーとなり、横浜のニューグランドホテルに泊まることになった。

 

ニューグランドホテルは日本全国を見渡しても指折りに歴史が深いホテルで、1927年開業で設計は渡辺仁、また現在は近代化産業遺産として経産省に認定されている。

加えてマッカーサーが泊まったことがあったり、二階のロビーが色々な撮影に使われたりと何かと有名なホテルである。2人とも建築系なのでそういう遺産系の建築は好きだ。

 

 

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ロビーにて。撮影:Nikon FE2 NIkkor-s 50mm f=1.4

 

予約したのは旧館のツインの部屋(ダブルが無かった)で、平日なので朝食付きで一部屋2万弱のプランだった。もちろんディナーも別でホテル内のフレンチを予約した。それも1人1万くらいのコースで、記念日仕様の超贅沢である。私はかなりせこいが、こういう経験にお金を使うのは惜しくは無い。

 

そんな感じで早めにホテルに向かい、有名なロビーで写真を撮り、チェックインカウンターに向かったところで事件は起きたのである。

 

「今でしたらお一人様追加5000円ずつでスイートに泊まれますがいかがですか?」

 

は?

 

「今日は平日ですのでお部屋が空いておりまして、もしご興味があればなんですけれども」

 

なんと普段は一泊14万円以上するスイートルームが普通の部屋+1万円の3万円くらいで泊まれるという。老舗ホテルの旧館のスイートルームがたったの3万円。。

 

しかし元々たまにの贅沢と散財したつもりでいたのでお金が本当にない。一応言っておくと自分で全部出すわけではなく割り勘である。それでも月5万円の奨学金で暮らしている私は金欠を極めている。

 

と一瞬チェックインカウンターで葛藤した。が、こんな機会はもう絶対無いなと思うと興味が勝り、結局グレードアップしてしもうた。

 

ーーー

 

グレードアップします。

 

「ありがとうございます。お部屋までご案内いたしますね。」

 

 

のこのこついていき、エレベーターで4階に上がる。エレベーターの内装も素晴らしく、単なる木目調ではなく木で仕上げてあり、その重厚感がちゃんとしたホテルに来たんだなという気分を盛り上げてくれる。門司港ホテルもたしかこんな感じだった気がする。

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部屋は415号室だった。

部屋の構成を簡単に言うと、入ったところにありえん大きさのリビングがあり、くるっと回ったところにありえん大きさの寝室とキングサイズのベッド。その奥にバスルームである。2人で泊まるのに色々な椅子が10脚くらいある。人を呼ぶ前提なのかもしれない。ちなみに角部屋である。

そして期待通りクラシックホテルの内装は素晴らしかった。海外旅行でちょっといいインターナショナルホテルに泊まったことはあるが、格が違う雰囲気。

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何より家具が素敵だった。ソファはふかふか、椅子のデザインもかわいい。絨毯やカーテンなども派手では無いけどデザインされていて良いが、交換はされているのだろう。

あと2つある小物入れの装飾が素敵だった。やたら蓋が重くて、一体何を入れるんだろうか。

それと水まわりのデザインも良かった。なんと洗面台が2つあって、ノブとか手に触れるところは金メッキされている。鏡の枠も額縁かな?と思うような造形が施されていた。映り込むとなんか気恥ずかしい。

 

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建物自体は90年経つが、内装はかなり更新されているはずで、重厚感はあるが、これは当時から残っていると思われるものはほんの一部だった。

ちなみにシャンプーなどのアメニティはブルガリだったので持って帰った。

 

やっぱラブホとは違うなとか思いながらたくさん写真を撮り、恐らく一生に一度の機会を楽しんだ。連れがいなかったらこんな機会には恵まれなかったので、感謝である。

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部屋から氷川丸を見る。 撮影:NIkon FE2 Nikkor-s 50mm f=1.4



建物自体については、竣工から90年経つので構造体の寿命は気になる。耐震改修を含めた改修を2016年にしているが、特に免震レトロフィットにしたとかいうことはなく、そもそもコンクリートの寿命から考えてあと何年今の状態を保てるのだろうか。本当に今回が最初で最後の宿泊の機会だとしたら寂しいが、可能性は大きいだろう。

 

 

 

いくら普段の5分の1の値段で泊まれるとはいえ、今回は清水の舞台から飛び降りた。

しかしその判断は正解だった。この歳ではパパ活でもしない限り出来ない贅沢を知ることができた。ほんと、もし機会に恵まれたらもう一度泊まりに行きたい。

 

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