うみうみう日記

主に建築・写真

3.1堀切空き家調査(前編)

研究室のプロジェクトで、大学のある葛飾区堀切の空き家の実態調査を行うことになった。

と言っても誰かがこのテーマで論文を書く予定があるわけではなく、あくまでまだ準備の段階なので散歩すると言った方が近い。

 

それで、この地域に馴染みがなかったので色々調べるとこれがとっても面白いので、書いてみようと思った。

 

時層地図を見ると、明治終わり頃までは田んぼで、その後現在の京成押上線の開通と共に市街地している。

住宅地だが町工場がかなり多く点在しており、現在でも用途地域は工業地域である。

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現在の地図を見ると、堀切やすぐ南の四つ木は街区が低地と思えないほど入り組んでいることが分かる。田んぼの跡地と言えばそのまま田の字状の街区が形成され宅地化するイメージがあるし、実際すぐ東側のエリアではそんな形になっているが、駅の南側のエリアがへんてこなのである。

時層地図を見ると、へんてこな街区のエリアは最初に都市化した場所だった。なんでこんなへんてこになったのかまだ考察の余地がある。

 

何にせよ町歩きが楽しみだ。

 

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それで行ってきた。

調査日は10月16日火曜日、曇り、14:30集合

堀切菖蒲園の駅から南に出て、調査開始。駅前の街区は県道314号と308号、そして線路に挟まれた台形の街区で、主に商業施設。赤札堂がでかいが、あとは小粒な下町の雰囲気だ。商店街のように一本道の左右に店が並ぶ感じではなく、もっと小規模で街路も入り組み雑然とした感じだ。

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北東にはスナック通りがあり、絶対入りにくい看板とドアが並んでいた。中華料理屋のおかんが痩せた猫数匹に餌をやっていた。

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駅前の街区をまっすぐ抜けると川の手通りという大きめの通りがあって一旦町が切り替わる。吉田ビルという古そうなビルが印象的だった。調べると1972年竣工で築47年だったが、コンクリートのリブとタイルの仕上げで可愛い。この通りは時代を感じる雑居ビルもいくつかあったが、この時代に建てられたのだろうか。

 

川の手通りを挟むとそこからは一気に住宅地の様子になる。ここはさっきの県道2つと、ラッキー通りとかいう東西に伸びる商店街に挟まれた三角形の街区で、商店街があることからも分かる通り元々は商業地だったようだ。現在はポツポツと店舗はあるものの、宅地化が進んでおり何箇所かで新築の工事をしていた。残った商店にはなかなか渋い建物もあった。

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意外とまだ工場系の建物に出会っていない。

しかし本番はラッキー通りを超えてからだった。。(続く)